今回はフロー収入とストック収入の違いやメリット・デメリットについて
解説していきたいと思います。
駆け出しのイラストレーターが陥りがちなのが、
「絵の制作依頼を受けて対価を得る」ということはなんとなくわかっていても、
「稼ぐ方法をあまり知らない」というケースです。
この状態に陥っているとしたらかなり勿体無く、
今後の収入に大きく影響してくると思います。
隣に札束が転がっているのに、
それを知らずに小銭拾いをしているようなケースが多々あります。
これは非常に勿体無いことで、
意外と絵を使った稼ぎ方って色々とあるのにそれを知らない方が多いんですよ!
ということで今回、
「まずは稼ぎ方の仕組みを知ろう!」というテーマで書いていきたいと思います。

ぼーる丸
絵は描けるけど稼ぎ方がわからない人は必見!
目次
フロー収入とストック収入とは?
フリーランスとして生き抜きたいなら、
ストック収入とフロー収入を比率を自分のスタイルに合わせて調整するのが重要!
- フロー収入:クライアント(個人・企業)から仕事の依頼を受けて報酬を得る
- ストック収入:量産可能もしくは在庫不要な商品を販売することで報酬を得る
フロー収入は労働の対価によってお金を稼ぐ方法に対し、
ストック収入は商品を販売してお金を稼ぐ方法です。
前者はサラリーマンや接客業タイプ、
後者はお店屋さんや広告業タイプ
と言ったところでしょうか。
一般的にイラストレーターとして食べていこうとするとき、
真っ先に考えるのが仕事を受託するいわゆるフロー収入ですよね。
しかし人が働ける時間には限界があり、
自分が働いた分だけしかお金が入ってきません。
それに対してストック収入は商品を量産してネット上や委託などで売ることで、
自分が働いていない間にも商品が売れてお金が入ってくる方法です。
つまりストック収入は印税に近い稼ぎ方ということになります。
メリットとデメリット
上記の説明だけを聞くと、
「ストック収入は働いていない間でもお金が稼げるなんて、不労所得じゃん!」
と勘違いする方も居るかもしれませんが、残念ながら違います。
ですが、上手いこと仕組みを作れば比較的少ない労働で対価を得ることができます。
例えると、
フロー収入は手作りのお菓子を売るのに対し、
ストック収入は工場で量産したお菓子を売るような構造になります。
手作りのお菓子は作り方と材料さえあればすぐにでも作れますが、
工場でお菓子を量産するには工場を作るまでの時間やお金がかかります。
そのため上記の例えでも分かる通り、
フロー収入とストック収入にはメリットとデメリットがあります。
フロー収入
- 企業案件であれば単価が高くなる傾向にあるため、高収入を目指せる
- いくつか取引先を確保しておけば、仕事が無くなるリスクは減らせる
- 有名な企業や企画と関わることができれば、知名度アップに繋がる
- 人と密接に関わる仕事なので、人脈を広げることやスキルアップが期待できる
- 直接企業へ営業しにいくことでオフラインでの仕事も得ることが可能
- 時間の切り売りなので、得られる収入には限界がある
- 単価の低い依頼を受けてしまうと時給が少なくなることもある
- 依頼者とのトラブルが発生する可能性もある
- 取引先を確保できないと、仕事が無い状況になることもある
- 大抵の場合、納期が発生するため自分のペースで仕事がし辛い
フロー収入は、
基本的に自分で営業ができないと成り立たないお仕事です。
フリーランスの場合、
ポートフォリオを作って企業への営業やネット上で依頼の募集をして仕事を受注し、
依頼者の要件を聞いて確認や提案をしつつ納期までに成果物を納品する必要があります。
つまり営業力や交渉力によって収入が上下すると言っても過言ではありません。
確かに一定水準の画力は必要ではありますが、
企業のイメージを再現することができる画力さえあれば仕事はできます。
(案件によってはそこまで絵が上手くなくても受けられる仕事はあります)
なかなか難易度が高そうではありますが、
慣れればサクッと仕事を受けて収入を得ることも可能です。
仕事をこなして経験を積むことにより、
講師になったり書籍を出版することで作品制作以外の働き方への転向もできます。
そのためフロー収入は、
即金性はありますが自分の営業力やスキルに単価が左右される稼ぎ方と言えます。
ストック収入
- 企業とやり取りすることは少ないため、自分のペースで仕事ができる
- 作品を量産しネット上で公開することで、作品が自分の代わりに稼いでくれる
- ヒット作品を作れば作るほど、収入が青天井で上がっていく
- 作品の制作を委託することで、自分の実働時間を減らすことができる
- 自分の経験を書籍やnoteにして販売することで更なる収入アップも可能
- プラットフォームのアルゴリズムや規約が変わると収入が激減することもある
- 売上が発生するまでに時間がかかる(半年かかっても無収入というケースも)
- 商品の販売実績により収入が左右される(給与ではなく成果報酬型のため)
- 時の流れにより作った物が古くなってくると、売れなくなることが多い
- 同業者とパイを奪い合うことになるため、強い競合が現れると苦戦を強いられる
ストック収入は、
自主的に作品を制作し公開することで商品の販売や広告収入で稼ぐお仕事です。
主にYoutubeやブログなどの広告や、
AmazonやBOOTHなどのECサイトでの商品のネット販売などが主流です。
ストック収入はネットがある時代だからこそ個人でもできる稼ぎ方と言えるでしょう。
比較的参入しやすいですしパッと見は簡単に見えるかもしれませんが、
多くのライバルと競争することになるのは避けられない厳しい世界です。
そのため試行錯誤しながら作品を制作し続けないと、
全然稼げないまま時間だけが過ぎていく場合もありますし、
始めは稼げても後発組に追い抜かされて稼げなくなることもあります。
しかし上手いこと仕組みを作ることができれば、
個人でも月100万円以上を目指せる夢のある稼ぎ方でもあります。
何故なら作品が売れたりすることで代わりにお金を稼いでくれるため、
ある意味自分を影分身させて働かせることができるシステムだからです。
自分なりのノウハウを蓄積できれば、
その方法を使って他者へ委託して作品の制作さえ代わりにやってもらうことができ、
更に人数を増やせば製作スピードや収入も数倍に!
奥の手としては、ノウハウをnoteやKindleなどの電子書籍に書いて売ることもできます。
(ただこの方法は『情報商材』と呼ばれ、特定の人から反感を買う傾向にあります)
そのためストック収入は、
仕組みさえ作れば実働時間を減らしつつ収入を増やすことができる稼ぎ方と言えます。
2つを合わせたハイブリッドな働き方もアリ
個人的に最強の働き方というかフリーで働くならそうならざるを得ないと思いますが、
フロー収入の仕事とストック収入の仕事を並行してやるのが一番安定すると思います。
収入源が分散されるためリスクヘッジになりますし、
仕事の依頼が無くなったら販売用の作品を制作する作業に時間を回せば
やることが無くなることはありません。
ただし、フロー収入とストック収入の割合の調節に気をつける必要があります。
仕事の受託を多くしすぎると個人作品の制作に時間を回せないですし、
その逆も然りとなってしまうからです。
個人的にはどちらを多く取るにしても2:8くらいの割合にするのがベストかなと。
(5:5は相当能力が高い人でもないと破綻する可能性が高いです)
さらにストックでの成果がある程度あれば、単価交渉などに利用することもできます。
「ストック収入がこれだけあるから、時給がそれ以下になる仕事は断る」
「チャンネル登録者数が○○人なので依頼料は○○円とします」
このような判断基準ができるため相乗効果も狙うことができます!
そのためストック収入がメインで企業案件も受けるYoutuberやブロガーなどは、
必然的にハイブリッドになりやすいわけです。

ぼーる丸
収入源が単純に2つになるから、収入の安定感がアップ!
ネット上でできる具体的な稼ぎ方
ネット上でできる、フロー収入とストック収入の稼ぎ方についてご紹介します。
フロー収入
ネット上で仕事を募集する場合、以下のようなサービスを利用することになります。
イラスト制作依頼仲介会社 | ViViViT | MUGENUP STATION |
スキルマーケット | ココナラ | SKIMA |
クラウドソーシング | ランサーズ | クラウドワークス |
SNS | Pixiv | |
自作のサイトやブログ | WordPress | WiX |
企業が募集している案件に応募したり、
サービスや自作のサイトを利用して依頼を募集する形になります。
ここで一点気をつけていただきたいのは、
個人相手の仕事はなるべく早い段階でやめて企業相手の仕事に切り替えるべき
ということです。
何故かと言うと、
個人の場合は個人の財布からお金が出るので単価が低くなりやすく、
企業の場合は会社の予算からお金が出るので単価が高くなりやすいためです。
確かにはじめたてで仕事を覚えるついでにやるなら個人相手でも良いのですが、
単価が安いため生活できるレベルの収入にするにはかなり数をこなす必要があります。
(1枚5,000円でイラストを描く場合、20枚描いてやっと10万円です)
また、料金の相場については公開するのを嫌がる方も居るのでここでは書きませんが、
料金については他のイラストレーターを参考にするのも良いと思います。
最後に、自分のスキルを安売りするのだけはできるだけ避けるようにしましょう。
(1人が下げると業界全体の相場が下がってしまうので、同業者にとっても迷惑です)
ストック収入
ネット上でストック収入を作る場合、以下のようなサービスを利用することになります。
ストックイラスト | PIXTA | シャッターストック |
クリエイター支援 | pixivFANBOX | Fantia |
ダウンロード販売 | DLsite | DMM.com(FANZA) |
電子書籍販売 | note | Kindle |
ネットショップ | BOOTH | minne |
動画・ブログ | Youtube | WordPress |
基本的に商品となるものを継続的に投稿し続けて、
収益を上げていく形になります。
自分のペースで自由に作品が制作できるところが一つのメリットですが、
やはり売れてなんぼの世界なので人からウケる物を作る必要があります。
また作品の質以外にもサービスの機能を理解して、
この時間帯に投稿してこういうタグ付けをすると多くの人に見てもらえるなど、
様々な戦略についても押さえておく必要があります。
そのため簡単そうに見られがちですが、
何も考えずに作業を繰り返すだけでは伸び悩みに直面することになります。
たった半年で月収数十万円を達成する方も居れば、
数年規模で続けていても月収1万円も超えられない方も存在します。
しかし自分なりに研究してある程度のコツを掴むことができれば、
後は全力で作業し続けるだけで伸びていくこともできると思います!
また、『note』や『brain』などで有料ですがノウハウも流通しているので、
そういったものを参考にするのもアリだと思います。
(ただし、先にネットで検索して無料で手に入るような情報から集めましょう!)
まとめ
フロー収入は、
比較的すぐに稼げるけど時間の切り売りなので収入に限界がある。
ストック収入は、
稼げるまで時間がかかるけど労働時間を圧縮できるため収入は青天井。
どちらも一長一短というところですが、
2つを上手いこと組み合わせればフリーランスでも収入を安定させることが可能です。
こういった稼ぎ方の仕組みを知ったことにより、
新たなビジネスをひらめくことができれば幸いです。
ただ、フリーランスは全てが自己責任!
無理な働き方だけは避けるようにしましょうね!

ぼーる丸
お金ばかりを追わずに「好きなことで、生きていく。」を目指しましょう!