ついに見つけてしまいました。
究極のアタリの取り方を…!
ラフを描いてはボツを繰り返していた私ですが、
この方法に変えてからボツ率が下がり安定感が増しました!
ただしこのアタリの取り方は、中級者以上向けです。
(少なくとも身体を一通り正しい形で描けるレベル)
そのため恐らく一部の人達はそもそも真似できないかもしれませんが、
扱える人が居ることを願いつつこのテクニックを共有させていただきます!
※このテクニックはデジタルイラスト専用です。(恐らくアナログでは不可)
目次
そもそもアタリって何?

アタリとは下描きを比較的正確な比率で描くために補助として描くもので、
いわば下描きの下描きです。
本来は上のように線画で下描きをすると思うのですが、
これだとシルエットの調整が難しかったりするんですよね

シルエットだけにするとこんな感じです。
イラストテクニックの一つですが、
シルエットが美しいと最後まで描ききったときに見栄えが良くなる傾向にあります。
逆に言うとこのシルエットが歪んでいると、
頑張って描き切ったとしても出来が悪かったりするんですよね~
美しいシルエットかどうかの判断はなかなか難しいですが、
写真や神絵師の絵を単色で塗りつぶしてみたりなどして分析してみてください。
もしくは絵を縮小して見てみると、なんとなく歪みなどがわかると思います。
グレースケールでアタリを描きつつシルエットを調整する

そこで思いついたのが、グレースケールでアタリを描くという裏技。
気をつけるポイントは以下の通り。
- 全体を塗り用のブラシで描く
- 可能であれば裸で描く
- 影を付けながら描く
- シルエットを意識してしっかり形を取る
とある絵師がシルエットでアタリを描くようにしたら時短になったと言っていたので、
自分でも使いやすいように改変したものです。
最初は単色でシルエットを描いていたのですが、
重なる部分が同化しちゃって訳が分からなくなったので影を付ける形になりました。
さらに色々試しているうちに、
ある程度描き込んだ方がスムーズに下描きへ移行できることに気づきました。
という感じで色々と試行錯誤してるうちにこういう形に落ち着いたというわけです。
もはやアタリというよりラフなのですが、元はアタリなのでアタリと言い張ります。

最初は大まかなシルエットを取り、
だんだん詳細に描き込んでいくという感じですね。
面を意識しながら塗り用のブラシで描くので、
粘土をこねこねしているような感覚でなかなか楽しいです。
影を描くことで立体感を表現しやすくなり、
そのおかげでよりシルエットも取りやすくなる効果もあります。
(線画を描く際に影は消しますが、勿体ないと思ったらグリザイユ画法にしてもOK)
ちなみに影はシルエットと同じレイヤーに描いていますが、
小物を加える場合などはレイヤーを分けても良いと思います。
(同じレイヤーで描いた方がレイヤーの切り替えが少なく済んで修正しやすいです)
そして意外なことに割と描き込んでもそこまで時間はかかりません。
ここのアタリをしっかり描いておくことで、
後々の工程がかなり楽になります。
有名イラストレーターも語るシルエットから描く重要性

フリーイラストレーターのよー清水先生も著書でこう語っています。
Point なんでシルエットから描くの?
シルエットから描く理由は色を塗ったときのイメージの差を少なくするためです。
がんばって描いた線画に下色をつけてみたら思っていたのとなんだか違う…という経験はありませんか?
それは色を塗ると、線で見えたものが面(シルエット)で見えるようになるためです。
最初からシルエットで描くと、ラフから面を意識しやすくなるのでこの違和感を小さくできるのです。
引用:「キャラの背景」描き方教室 CLIP STUDIO PAINTで描く! キャラの想いを物語る風景の技術
今回紹介したアタリはこの考え方を取り入れていて、
着色以降の違和感を緩和するためにシルエットから描く狙いなのです。
違う点としては、
よー清水先生の場合はグリザイユ画法で着色するためシルエットから描いていますが、
ぼーる丸流のアタリの場合は線画のみを抽出し、それ以降はアタリを使いません。
「え、せっかく描き込んだアタリを捨てちゃうの?」と思われるかもしれませんが、
美しいシルエットを取るためにするアタリの描き込みなので無駄な工程ではありません。
不思議なことに影を付けながらシルエットを描くと、
影がアタリの役割を果たしシルエットをより綺麗に形成できるのです。
厚塗り風で描きたい場合はよー清水先生流の描き方を選び、
線画ありの着色にしたい場合はぼーる丸流の描き方を選ぶのもアリだと思います。
(既存の描き方を否定するためのものではなく、選択肢が増えたと考えてください)
実際にこの方法で描いてみた線画




自分の場合はアタリ→線画の順で描いちゃいますが、
アタリをそのまま線画化すると違和感出るところもあるため、
アタリ→下描き→線画の順で描くのが一番無難だと思います。
ここまで描きこむなら「グリザイユ画法で描けばいいじゃん」って感じですが、
ぼーる丸はグリザイユ画法が苦手なので線画へ逃げていくスタイルで行きます。

ぼーる丸
描ける人ならグリザイユ画法にしちゃっても良いと思うよ!
おわりに

いつもなら描き終わった後に加筆修正をバリバリ使っていたのですが、
今回は小手先のテクニックを使わずに描き切ることができました!
そんな感じのアタリの取り方なんですが、
残念なことに身体の正しい形をある程度理解していないと再現は難しいと思います。
(シルエットを取るための描き方なので、正しい形を知らないと意味が無いからです)
あとは資料などを見ながら描くとかですかね。
このテクニックを利用したい場合は、
以下の本で美術解剖学をある程度学ぶことをおすすめします。
資料集として使うなら以下の本を見ながら描くのも良いかもしれません。
このやり方のおかげでそこそこ難しいポーズも楽に描けるようになったので、
今後しばらくはこの描き方に頼ろうと思っています!

ぼーる丸
デジタルでしか利用できないアタリの取り方だけど、扱えられれば効果は抜群だ!